ここでは私の主観で思い出のグランプリを語っていきます。有名なグランプリは皆さんが紹介されていると思うのでここでは隠れた名レースや心に残ったレースや人物について書いていこうと思います。
第1回 私の思い出のグランプリに1993年ベルギーGPがあります。
デーモンヒルはこの年にウィリアムズに移籍して最強の車を手に入れます。チームメイトはF1界でも屈指の才能を誇るアランプロスト。
当時は情報が少なく、日曜の夜中にあるフジテレビのプロ野球ニュースの一部やF1雑誌などで情報を集めていました。
シーズン前のテスト走行ではデーモンヒルが好調等の情報もあり、少年だった私はデーモンの方がプロストよりも早いのでは?などと妄想を膨らませていました。黒いヘルメットとルックスも格好良く、私の心に刺さりました。
しかし、シーズンが始まるとアランプロスト、アイルトンセナが速く、デーモンはミスを犯したり、トップのレースペースについていけなかったり、トラブルにあったりと、私の期待とは違う展開でした。
ただ、そんなデーモンが第11戦ハンガリーGPで初優勝。この優勝はフォーメーションラップ時にアランプロストが発進できず、独走状態での優勝。
続く第12戦ベルギーグランプリ、予選 デーモンは2番手。PPはプロスト。
スタートしました。
なかなか良いスタートか?と思いましたが、
すぐにアイルトンに抜かれてしまい。こ、これは数週ブロックされてプロストが逃げてしまうパターン?と思ってしまいました。
しかし今日のデーモンは違います。
すぐさまアイルトンを抜き返し2位奪還。そしてプロストに着いて行きます。
6週目、スタートに失敗したシューマッハが鈴木亜久里をパス。「抵抗せずに抜かしてくれてありがとう」的なサイン。亜久里は予選6番手スタートで好位置をキープしています。
そのミハエルもアイルトンを抜くのは手こずります。
12週目~14週目の間にヒル、シューマッハ、プロスト、セナがタイヤ交換でピットイン。
ピットイン出口でシューマッハがアイルトンをアンダーカット
16週目良いところを走っていた亜久里がバスストップシケインでギアボックストラブルでリタイア。
残念。
タイヤ交換後、4秒~5秒あったヒル、プロストの差が21週目には2秒差に縮まる。更に25週目ヒルがプロストに肉薄。仕掛けます。しかし抜くまでには至らず。
でも、やはりいつものデーモンとは違う。今日は勢いがある。
プロストはその後ファステストラップを連発し、デーモンとの差を2秒程度に広げる。
さすがプロスト。
そして2回目のピットストップ。
ウィリアムズはデーモンが先にピットイン。タイヤ交換を済ませる。
そして1周遅れてプロストがピットイン。プロストのタイヤ交換は9秒台と時間が掛かり、更にピットアウトする際にjjレートがピットに入って来たためタイムをロス。ちなみにjjレートはこのグランプリが50回目の出走になりました。
コースに戻った時に鼻先をデーモンがかすめて、アンダーカット成功。トップに浮上。
ここからがレースの見どころ。
この年のベネトン、シューマッハコンビは燃料が軽くなるレースの終盤、ファステストラップをたたき出しながら上位に襲い掛かる場面が非常に多く、このレースもそのような展開になりました。
今シーズンはここまで5回のファステストラップをシューマッハはマークしています。
2回目のピットイン後、イン、アウトラップの速さと、ファステストラップでトップとの差を一気に詰めてきたシューマッハ。
32週目アランプロストに接近し、テールトゥノーズでオールージュを駆け上がり、ケメルストレートエンドでぎりぎりまでブレーキングを遅らせて白煙を上げながらプロストをオーバーテイク。
今シーズン、ウィリアムズをドライコンディションでまともに勝負し、オーバーテイクした初めてのシーンではないでしょうか。少年だった私は衝撃を受け、それと同時にデーモンも抜かれてしまうだろう事を予感しました。
デーモンとミハエルの差
32週目 4.435
33週目 4.220
34週目 2.95
35週目 2.668
36週目 2.284
終盤にかけて二人の差はどんどん縮まっていきます。
37週目にはデーモン、ミハエル、プロスト、3人共に自己ベスト。本当のガチンコ対決。
38週目ミハエル、 39週目デーモン、41週目プロストがファステスト。
一時は2秒台だったデーモン、ミハエルの差はちょっと広がって5秒台に。
最後まで集中を切らさず、ミスをせずデーモンがトップチェッカー。
もしハンガロリンクで優勝しておらず初優勝をかけたレースがベルギーGPだったらプレッシャーのかかり方も相当違ったでしょうね。
それとミハエルの走りもすごかった。スタートで失敗し10週目にはトップから13秒もあった差を終盤にかけて追いつき、プロストをオーバーテイクしましたからね。
91年、92年と最強のマシンを作ってきたウィリアムズのマシンに一歩近づいた瞬間でもありました。
以上ベルギ―グランプリ総括でした。
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